とんでもイングリッシュ その7

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さて、このくだらないネタで続けてきた特集も、一旦きょうを持って締めることとしましょう。
この人生で英語圏に何度赴いたか・・・と考えていたのですが
よくよく考えると、僕の場合は東アジアを除くと、英語圏しか行った事がないようです。
ヨーロッパは全く行った事もなく、フランス語やドイツ語、スペイン語やロシア語、アラビア語などに
出会ったことすらないのです。
とりわけ、アメリカ・カナダが圧倒的に多いせいか、さまざまな生活習慣で使った英語というものが
非常に印象に残っています。
特にアメリカでの記憶が鮮明なのが食事、中でも「朝ごはん」です。
アメリカやカナダでカフェテリアなどに赴くと、朝はだいたいどこも「バイキング形式」です。
予算はだいたい$5前後
ちなみに「バイキング」は英語ではありません。和製英語です。
他にもいろいろありますよ、和製英語・・・。
ホットケーキ、フライドポテト。 みーんな通じませんばい。
◆バイキング→buffet(米),smorgasbord(カナダ)
◆ホットケーキ→pancake
◆フライドポテト→French fries

で、一度行ったら貧乏性ゆえ1日食事を取らずに済むくらい食いまくります。
よって、アメリカに行くと太ります。あっちにはデブが多いのはごく自然なこと。
まともに食ったらカロリー過多だもん。太って当たり前でしょ。
さてバイキング形式でないところですと、マグカップが逆さに置いてある席に着くなり
店のおばさんが、コーヒー片手にノシノシやって来て、おもむろに注文を取ります。
「おや?メニューは?」
ありません。気の利いた都会の店ならありますが、ボクが行ったような田舎は、まずない。
っていうか、実は選択肢がどうも決まってるらしい。どっかのラーメン屋みたいに。。
これにビビったのは言うまでもないです。だってどうしたらいいかわからんのやもん。
どっか初心者用のマニュアルでも書いとけっつうの。
で、田舎のカフェテリアでは、「ご注文は?(日本語)」を英語で
「fuun-fuun(フンフン)?」と言います。って会話になってねー。鼻で会話すんなよ。
以下、当時の会話・・・
“What should I order at first?”
“OK! How is eggs?”

おっしゃ!簡単やん。卵なら何があって、どう注文するか知っとるばい。
Boiled(ゆで卵),Sunny side up(片面目玉焼き), Turn over(両面目玉焼き), Scrambled(スクランブルエッグ)!
見事、正解で無事、注文終了!
となると、次はベーコンか、ソーセージか、ハムだろ!  正解!! 注文終了!
と、ここまではうまくいきました。ところが。。。
“OK~! Now! How is bread? ”
え?パン?? 何があるの? 食パンとぉ・・・さしずめクロワッサンか何か?
うーん、無難なところで、トーストとでも言っておくか。。。と思い、
Toast,please”  と言ったところ。。。
“Ah????” と怪訝そうな声。こいつらは聞き返すときに、必ずこう言います。
「パードン?」とか「セイイットアゲイン」とか誰もいわんよ。みんな「あぁ~?」
因縁つけるような声と表情。このおばちゃんもそんな表情に変わった。。。くそっ!
うーん、何か間違ったかな?だいたい何を聞いてるんだか? だんだん不安になってきた。
“Which do you like better?” おばはんは選択肢も言わずに、「どっち?」と聞いてきやがった。
だんだんだんだん焦り、英語になってない英語をもらしてしまいました。
“What is which? (どっちっちゃ何のことね?と言いたかった)”
半ば笑っているおばちゃん。そうすると、次の台詞でますますわからなくなってしまった。
「ワッタライ」   
「はぁ??????」
またもや、据え膳の直前でのヘビー級のストレス。ワッタライとか言うパンってあったかなぁ?
うーん、かんべんしてくれ。どっちでもいいんじゃ。でも変なのが出てきたら困るしなぁ。
やむを得ず、その「ワッタライ」を紙に書いてもらいました。。。すると(つづく)


“WHITE OR RYE” 
マックの時と同様、またもやORだよ。しかも今度は書いてもらっても意味がわからん。
しかもRYEで何だ?書いてもらってもなおわからないので、和英・英和辞書を全部出して
徹底的に教えてもらいました。そしたら、なんと驚いたことに、
「パンの原料の麦の種類」を尋ねていたのです。
そうか、RYEはライ麦パンか! なるほど。となるとWHITEはいわゆるなじみのある小麦です。
僕らが気の利いた旅館で朝食を取ると「ご飯は、玄米・白米・おかゆがございますが??」
って言われたりするのと同じこと。
つまり各地の食文化で最も根付いている穀物って、細分化された価値観が生まれてるのです。
日本人がパンを食したのは、いまから150年ほど前から。
肉食文化と同様、パンに関しても考え方が雑多なのですね。
「パンといえば材料は小麦やろうもん!」と思う先入観がある限り、
アメリカにおいて、朝食の注文はできない!ということですね。
やっぱり外国語を学ぶには、相手の民族の文化。。。とりわけ食文化と、そして価値観を知らないと
言葉の構成や、単語の種類に対し理解ができないと思いますわ。
そういえば昔、アメリカ人にも同じこと言われたことがあったっけか。
英語は「コメ」と言えば、みな”rice”
でも日本語には「稲」「米」「飯」という3つの言葉がある。これはすごいと。
イヌイットが「降る雪」「積もっている雪」「溶ける雪」をすべて別の単語にするのと同じことやね。
重要なファクターへ、より深い価値観を見出すので、言葉も文化も豊かになるんですね。
朝食のストレスで、こんなことを学んだことがありました。ちゃんちゃん。

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