聞いていない

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放送局に入って早10年。入社してから数年の間、
もっともボクを悩ませた言葉が「聞いてない」でした。
要は事前に打ち合わせや相談がないことを、突然要望されたり
段どられたりされても、対応できない・・・だから知らん!と、どやされることを意味します。
恐らく他業種他業界でも似たようなことがあるでしょうが、
この「聞いていない」をもっともほざきやがるのが放送業界でしょう。
最初は根回しをしていない自分の責任だと、この台詞を言われないよう
職場で努力を重ねてきましたが、だんだんこの言葉が
「責任を回避するための台詞」であり
「了見の狭さを表す台詞」でもあったことを知りました。
すぐに「できない」と言う。すぐに「知らない」と言う。
そのくせ失敗したら、すぐに言い訳をして責任を回避しようとする。
特にこの傾向は往年の技術マンに多かったのです。
最近の技術マン、特に後輩にはこういうことを言うヤツがほとんどいなくなりましたが。
で、この「聞いていない」という台詞。
このところのニュースで、放送業界の連中から2連発で出てきましたね。やれやれ。
一つ目が「朝日新聞vsNHK」の続編。舞台がラグビーだからこちらもたまらん。
審判のジャージの胸に「朝日新聞」のロゴが入っているのを「聞いていない」。
だからはずせ!とな。
NHKの連中のアホさに呆れるばかり。。。
それが映ったことで、あんたたちにどれだけの不利益があんねん?
視聴者にどれだけの効果があんねん?ジャージのロゴ見た視聴者が
「よし!NHKの受信料は払わないで、その浮いた金で朝日新聞を購読しよう!」とでも
思うと思っているのか?
明らかに「日ごろからムカつく朝日新聞に有利に働くことは、一切御免こうむる」という
「了見の狭さ」の表れ。
情報を商売道具とするNHKのこと。この事実を事前に全く知らなかったとはとても思えない。
まさに事前に「聞いていない」だけのこと。事実の知・無知はこの台詞とは関係ない。
当事者の態度を見ており、そいつの根回しや挨拶、お願いをする態度などを加味して
「よし、やってやるか」という決断をする、きわめて傲慢な言葉なわけで。。。
日ごろからそういう商売をしているNHKの連中が、
「朝日新聞に次なるイチャモンをつける格好のネタ!」
と思って出した話題でしかない。 まさにケツの穴が小さい。
二つ目が「フジテレビvsライブドア」。
日ごろからニュースソースにしたり、バラエティの出演者にまでしていた民放が、
てめーの経営権を奪われそうになったら、とたんに画面から排除し、会談を拒絶する。
なんでか?やっぱり「業務提携するなんて『聞いていない』から」ですな。
やはり殿様商売の放送業界、資本主義と法治国家の定めどおりの手続きを行っている
大株主の態度に対し既存の慣例や人間関係のあり方を重視した発言。
いったいどっちが傲慢だか。。。
ほりえもんは激怒したそうな。そらそうやろ。「業務提携」や「M&A」の話がちらつくとは言え
大株主に対する態度ではない。
経営陣が株主に対して傲慢な態度を取るようでは、かえって逆効果。
「新進気鋭のIT産業の若造ごときに、なぜ大企業のトップが会わないといかんのじゃ?」
と言わんばかりの態度を取る、フジサンケイグループの経営陣。
おや?この台詞、どっかで聞き覚えがありません? ○○ごとき・・・・。


やはり昨年のプロ野球騒動以来、
旧態依然とした日本の経営陣体質が根底から崩れつつあるようですね。
まさに以前のナベツネを彷彿とさせる姿に見えるのです。今のフジテレビって。
本当にフジテレビがライブドアとコンテンツや経営方針で対峙するならば
「ほりえもんvsフジテレビ:平成教育予備校でガチンコ勝負!」とか言って
番組化して、あおるけどな。お互い話題の人だけに、当然これで視聴率アップやろ。
「面白くないとテレビじゃない」と言うわりに、てめーが面白くないネタはすべて排除する。
あくまで視聴者にとって面白いものを作るわけでなく、てめーに都合のよいものだけを放送する。
そんなことやけん、経営を取られようとするんだろ。
日本でトップを行くキー局の経営陣がこういう態度を取っているのですから、
他のキー・ローカルの各局の経営陣も、当然同じ体質なわけです。
なんでもかんでも「聞いていない」を連発。
そこまで根回しが好きなら、田舎で井戸端会議でもやってろや。
経営を知らない経営者が、民放には多いのです。さて、この先どうなることやら。
もっといろんな会社の方々、民放をのっとってくださいな。いっそのこと。
そうでもせんと、護送船団は変わらないよ。

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