このところタクシーに乗るたび、よく言われる。
「スタンプラリーカード、お持ちですか?」
顧客囲い込みのために、タクシー会社が始めているサービスですね。
規制緩和がすすみ、新規参入も可能になってきたので、
既存のタクシー会社は、あれやこれやと新しいサービスに躍起です。
で、そのスタンプラリーカードだが、僕が確認した複数の企業では、
どこも「1回乗ったら、1個スタンプ。20個貯まったら500円割引」
ってやつだった。ふーん。いいね。
ただそのスタンプをじーっと見て、ふと思った。
「待てよ。たとえば今自分のスタンプラリーカードにスタンプが10個付いてるけど」
「これって要は250円の請求権を僕がタクシー会社に対して持ってることだよな」と。
つまり。
スタンプ1個あたり、タクシー会社は25円の負債が発生しているわけ。
まぁこれが消化されればよいのだが、たとえばこれを客が溜め込んでたり
あるいは、どっかにあるのだろうけど手元になく、宙ぶらりんになってる場合
負債が生きてることになる。
顧客ががおよそ10万人いて、一人あたまが持つ平均負債額を100円で
換算するとしたら…。
そう。
単純計算で、10,000,000円の負債が巷にあることになる。
で、問題はここから。
その負債は「バランスシートに載らない」負債じゃん。
オフバランスね、いわゆる。
これが地方の一タクシー会社なら、株も公開じゃねーからそんなに
問題にならんかもしれんが。
たとえば航空会社のマイレージや各社のポイントカードなんかは
実は相当規模のでかいオフバランス負債なんじゃないか?
と改めて思った。
ということは。たとえB/Sの見た目が良くても、ポイントカード的サービスを
行っている会社については、必ずオフバランス負債を抱えているわけで
株は買わないほうがいいな。という結論に達した。
どこかで一度だけこの話題が問題になっているという話を聴いたが、
どこの何の話か、すっかり忘れた。
まぁとにかく、うまい話を導入するのはいいけど、どこかで常に
会計的な目線を持たないと、思わぬ落とし穴に陥る恐れがあるな。
と、一瞬思った話だった。
といいながら、やはり斬新なサービスは悪くない…とも思うっちゃけどね。