ここのところのテレビ等でのリアクションや批判を聞いていると
「定額給付金」に関する論点と、ずれた話が非常に多いなぁと
感じることが多い。
おそらくですが、視聴者に分かりやすく
かつ批判しやすい内容でコメントをつけている感があります。
実は2~3年前の構造改革時においてマスコミの批判で
多かったのは「企業」だけではなく「家計」への経済対策を…
というもの。
でも実際は「企業」への経済対策、とりわけゼロ金利政策を
中心とした金融政策が、日本の株価引き上げに貢献したことに
反論を出す人は、やはりいないと思います。
このように「やる前」は批判、「やった後」はダンマリ。
それがメディアにありがちなパターンかもしれません。
さて。
今回の定額給付金の話が出ると、G8の中で無策であるとか
ドイツなどが法人税の引き下げを行っているとかの例を出して
批判を展開している例が多いです。
が。
僕の考えでは、それらの批判こそあまりにも無策としか
思えません。定額給付金そのものは家計を意識した財政政策の一つで
それ自体をギャンギャン批判することは、必ずしもできないのでは…。
と考えます。
2兆円ってどんな額なんでしょう?
消費税の歳入は年間およそ10兆円。
つまり1%分のキャッシュバックキャンペーンです。
減税よりも即効性があるかもしれません。
他方で政府は今後法人税の引き下げを検討しています。
法人税の引き下げが実現できるのであれば、会社は
自社の給与(もしくはボーナス)を引き上げるか、もしくは
税引き後当期純利益を増やして、内部留保を増すか
配当を増やすかするでしょう。
前者を選べば消費が増える。
中者を選べば設備投資が増える。
後者を選べば投資が活発になる。
マクロ経済の教科書的な回答ですが、意味がないか?
といわれれば、意味あると思います。
報道ではすぐに、福祉へまわせとか、教育へまわせという
議論が出てきますが、目下重要なのは経済対策以外
ありません。
経済対策の基本は金融政策と財政政策。
まずはその政策とその効果を冷静かつ着実に見定めて
来るべき選挙へ臨むことが得策じゃないかな?と
僕は考えております。はい。