大前研一|利権ありきで邁進する「地デジ完全移行」の欠陥 2011年をもってアナログ放送は終了いたします―。すでにアメリカでは、財政難を理由に延期が決定された。では日本は?[プレジデント 2009年3.30号] またもや吼えております大前先生
ただ。これを読んで僕も改めて納得できる内容てんこ盛りです。このスクリプトの〆は、「「放送と通信の融合」などという悠長な話ではない。放送は通信にのみ込まれるのだ。そのとき第二東京タワーはバベルの塔よろしく、テレビ業界の墓標としてさぞかし立派な観光スポットになっていることだろう。」 とな。
6ページにわたる長い原稿ですが、書いてある内容は自身が放送業界に長年勤務していて、感じ続けていたことと非常にリンクするわけです。さらに大前先生の原稿を見て、非常に信憑性を感じる予言は「今後、1年以内に「アメリカもやめたんだからやめようや」という正論が政治論議に上がってくるはずだ。総務省も最初は抵抗するものの、いつまでも進軍ラッパを吹けない。
そうなると次に何が起こるか。2つのことが考えられる。一つは、予算を組んでコンバーターを支給する。だから現時点で地デジ対応テレビを買わないで済ましている人は、もうちょっと待ったほうがいい。もう一つは、両論併記で当面はアナログと地デジを並存させる。ただし家電メーカーはアナログのテレビ受像機を早晩売らなくなるだろうから、現存している受像機が自然死するのを待つ。となると、受像機は意外に長持ちする家電製品だから、向こう10年ぐらいはアナログ放送を続けることになる。だが10年もすれば、当初喧伝された地デジの効果もなくなり、デジタル情報の一部としてインターネットに完全に取り込まれてしまう――。こうなったら、日本の放送業界はどうなってしまうんだろうか?僕が勤務を続けていたら、そのころの僕の年齢は48歳だ。うーむ。ちょっと怖い話でした。
ちなみに。地上波テレビデジタル化が本当に2011年7月24日で完全移行したら暴動が起こるのではないか?などといわれています。だって、まだお年寄りや地方の人にこの移行が浸透しているとはとても思えないもんなぁ。いよいよテレビから人が離れたらどうするんだろうか???