インバウンド事業において、とかく「来訪者人数」ばかりを追いかける国や地方自治体ですが、当社は常にその考え方や指標には疑問を持っています。なぜならば、人数ばかりが増えても、その地に消費が発生しなければ、売り手(向かい入れる日本企業)にはメリットが薄いうえに、買い手(訪問する外国人)にとっては、その地にリピートする(再訪する)理由とメリットが、これまた無くなるからです。
当社はその危機感・危惧を最もいだいている場があります。それが長崎県対馬市です。テレビで取り上げられた中村和範さんは、対馬市上対馬町で飲食店を経営しています。その飲食店は主に団体客を招へいしています。パイが大きく、売上も大きいのですが、今後の課題は「付加価値造成」です。それは換言すると「リピートさせる動機」でもあります。
そこで当社は対馬にある飲食店さんの取引先様には、一律で「日本酒の販売」を奨励しています。それも一升瓶による1杯売りではなく、四合瓶による「売り切り」販売です。対馬への渡航を出発する前の釜山では、四合瓶の日本酒が飲食店で一本あたり平均で15,000円程度で売られています。
仮に対馬の飲食店が1本5,000円で販売しても、3分の1の価格に「見える」のです。この価格差も「付加価値」の1つです。
来訪する方々は対馬も「日本」と捉えています。それは換言すると「対馬の商品」ではなく「日本の商品」を買いに来ている顧客が相対的に多いということでもあります。そのためには、相手(韓国人客)が欲しいもの、買いたいと想像するものを、先回りして品揃えし、情報を発信して、「買いに来させる」戦術を取ることに他なりません。
福岡や大阪で売れている実績を、まずはそのまま対馬へ。。。 ちなみに現段階で対馬における韓国人の消費額はおよそ15,000円程度。福岡や大阪は70,000円です。この差を埋めたいですね。
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