僕のビジネス論 放送局裏話

書評|2011年新聞・テレビ崩壊(2)

  • LINEで送る
2011年 新聞・テレビ消滅 (文春新書)
佐々木 俊尚
文藝春秋
売り上げランキング: 692,048

佐々木 俊尚さんが書いた「2011年新聞・テレビ崩壊」の中で語られているメディアやWEBにおける情報配信のビジネスモデルの概要。旧来のメディアビジネスのモデルが崩壊する本質はどこにあるのか?が分かりやすく分析された話です。その中で、

コンテンツ・コンテナ・コンベヤ

いう3つのレイヤーにて概要を説明しています。これって要は、回転寿司と同じ論理。

コンテンツ=寿司ネタ

コンテナ =寿司の皿

コンベヤ =回転すしのベルト

てな感じですよね。

2010_06_14_001.jpg

 

ネタのクオリティで売れるか売れないかは決まるが、ネタができたからって、ユーザにはそもそも届かない。
載せるものがなければ商品にすらなれないわけですね。

 

もともとの提唱者は、グーグルの及川卓也さんだとか。

「コンテンツ」「コンテナ」「コンベヤ」という三つの層(レイヤー)に分けた説明として

新聞を例にすると、

コンテンツ : 記事そのもので、
コンテナ  : それらの記事を運ぶ容器
コンベヤ  : 容器のコンテナを配達してくれるシステムのこと

 

すなわち

 

コンテンツ :新聞記事
コンテナ  :新聞紙面
コンベヤ  :販売店

こんな感じですね。

f:id:takoratta:20140204080825p:plain

及川さんのブログ Nothing ventured, nothing gained. から引用

で。今後、どこを牛耳ることがビジネスの勝ち組になるのか?というとおわかりと思いますが、コンベヤであり、その次がコンテナなわけです。

佐々木さんが放送局や新聞がヤバいと言う理由はコンテナとコンベヤが異なるツールになりつつある時代においてコンテンツのみでビジネスモデルを作れるはずがないというもの。

そりゃそうでしょう。

テレビ局はコンテンツのほとんどを外注しているわけですから、この論理で行くと「もぬけの殻」になってしまいます。

アップル社の戦略はまさにこの下流を牛耳るもの。新しい戦術をメディアは生み出すことができるのか?この考え方でしっかり自身の業界を俯瞰することが大事。2011年まであと半年ちょっとです。

  • LINEで送る