タダだから安いのか? タダより高いものは無いのか?
現在、大韓貿易投資振興公社(KOTRA:コトラ)がグローバル人材採用就職支援事業の一環として、ソウルやプサン、または我が国内などで韓国人材採用相談会(韓国人人材の就職フェア ジョブフェア)を行っています。
私たちホスピタブルも自社社員の採用を目指して出展をしたことが何度かあります。
規模も大きく費用も掛からないので、このイベント自体はとても有意義ですが一部の日本企業を見ていると、KOTRAから、お誘いを受けて、渡航費を捻出していただいて(つまりタダで)出展をし、採用の可能性まであるんだ、と軽く考えているケースが散見されます。
「なんだ、タダで行けて、タダで出展して、人材と会えて採用できるんだ。わざわざ金払って紹介をするホスピタブルのような企業なんか、別に必要ないじゃん。」
面と向かって、こう言われたこともありました。
本当にそうでしょうか?
韓国の大学の先生たちは無料イベントだけに出ている企業には不信感がある
先日、私たちが訪問してる大学の先生方たちから、こんな情報を入手しました。
●KOTRAが実施するグローバル人材フェアは1回あたり1億円の予算を使っています。
●2015年のイベントでは、世界中から約120社の会社を募り、会場へ招聘しています。
●そして韓国国内から求職者約を3,000名を会場へ集めた。求職者の移動は自費。ソウルに住む人は近くだから負担も少ないでしょうが、地方都市の子は高額出費。
●うち内定が出たと報告があるのは約60名。
え??たった2%ですか?? なぜですか?
と、尋ねると、出てきた答えは
「本気でない企業が多い。日本企業は韓国現地法人や、物見遊山が多い。」とのこと。。。
出展した日本企業も不満が多いイベント
出展した日本企業の方からも、こんな話を聞いたことがあります。
○会社の説明しかしてません。別に韓国人用に特別な採用フローは無いし。
○採用までのフローは原則自社任せ。だから、マイナビ登録を促しました。
まあ上記の通りの対応を普通はしちゃいますね。
その他にも
○内定は出したけど、すぐに辞退された。
○ビザの申請方法がよくわからずに時間がかかって、結局なし崩し的に辞退された。
とか、ぽろぽろと、不平不満が耳に入りました。
日本の就活の仕組みをそのまま利用しようとしても上手くいかない
求職者と求人企業の不満などの情報を整理して、韓国人人材を採用する企業側の注意点は以下のとおりと考えています。
①日本企業にとって確実な人材セグメントができていないことを予め知っておく
└会場には「世界中」の企業が来ます。日本企業に入りたい、日本に住みたい、という人材だけが集まっているわけではないので、その抽出が会場での面談と履歴書だけでは難しい。
②日本企業は準備不足な状態で参加すべきでない。準備ができないなら参加しない。
└そもそも貴社は本当に採用をしたいのか?なんとなく人材を見てみたいのか?もしも後者であれば、参加している一部の本気な求職者からすると、非常に期待はずれな状況です。
就職は人生を左右する一大事です。特に国外に出るということは本人だけでなく、ご両親や学校の先生方にご納得いただけるものでなければ成立しません。貴社を含む企業側に、相手の事情への配慮が不足しているケースが散見されます。その細やかな配慮を具現化させて会場に臨みましょう。それができないのであれば、会社の信用を落としますので参加すべきでないと考えます。
隣国の韓国人で、日本語が堪能だからと言って、日本国内での採用と同じ気持ちや同じ準備で乗り込むと、必ずミスマッチが起こります。そこに必要な準備や手間、気持ち、時間などを自社で割くのか、それともホスピタブルに任せるのか?だけです。
ご用命があれば、お問い合わせください。
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