広告主が直接書かせたなら、業者に依頼して対応させても同様に違法行為
「無料ソーシャルゲームやサクラレビュー、ステルスマーケティングが景品表示法違反対象へ」という記事を以前読んだ方もいらっしゃるかもしれませんが、ステルスマーケティングには具体的な法規制が入ることがあります。これって、読み手の対象者は国内外を問わず該当しまして、国や地方自治体などが直接韓国人ブロガーさんを招聘して、観光PRの記事を書かせることも同様に法律違反に該当します。仮に広告会社等の業者が間にはいっても「ブロガーを呼ぶだけの行為」を外注し、やはり「広告主が直接書かせた」のであれば、これまたやっぱり同様に該当します。営業に来る業者にはステルスマーケティングではないか?を確実に確認されるべきでしょう。
なぜなら、業者から提案をされた後に、手法が違法である際に法的な罰則をこうむるのは「業者ではなく、広告主(つまり、あなた)」であることを肝に銘じておいてほしいからです。
景品表示法違反に該当する要件は2つあります
景品表示法に違反する要件① 不当な「表示」といえること
「事業者がユーザーを装って口コミを投稿したり、ブロガーに報酬を支払って自社の商品を紹介してもらう行為」などは、まさしく集客のために行う商品・サービスについての宣伝なので、景品表示法上の不当な「表示」にあてはまります。ソーシャルメディアで広告主が消費者へ「直接」サクラ記事を書かせる行為は、いわゆる芸能人など社会的な影響力のある人(インフルエンサー)に報酬を渡して宣伝を依頼する「利益提供型」ステマです。広告主や業者から報酬を受け取ったうえで、宣伝であるのにそれを隠してあたかも愛用しているかのような投稿をする場合は、違法行為に該当します。
つまり「記事を書くことを事業で行っている『メディア』」を招聘するならば、これはビジネスですので全く問題ありませんが、1消費者に謝礼を支払って(便益含む)、書かせること自体がすべて問題なわけですね。
景品表示法に違反する要件② 「優良誤認」or「有利誤認」にあたること
当社とは異なる他の業者のブロガー招聘を見ますと、掲載コンテンツに以下の2つのケースが散見されます。
優良誤認表示(景品表示法5条1号)
(1)実際のものよりも著しく優良であると示すもの
(2)事実に相違して競争関係にある事業者に係るものよりも著しく優良であると示すもの
商品やサービスの内容について、実際の物よりも著しく良く見せかけたり、他社の競合サービスよりも著しく良く見せかけるような場合。大しておいしくもない商品(普通の商品)を「これはとっても美味しいメニューなんですよ!」と紹介して、その質を偽ること。キュレーションブロガーはこのケースが最も多いように見受けます。
有利誤認表示(景品表示法5条2号)
(1)実際のものよりも広告主に著しく有利であると一般消費者に誤認されるもの
(2)競争事業者に係るものよりも広告主に著しく有利であると一般消費者に誤認されるもの
消費者に「これってとってもお得なんだ!」と思わせておきながら、実際には全然お得じゃないような場合。これら2つにあてはまる宣伝方法については、景品表示法で禁止されています。
当社がパワーブロガーさんを招聘する仕組と理由
では当社が韓国人ブロガーを韓国から招聘することは、ステルスマーケティングではないのか?この要諦を説明します。当社の実施施策は法的根拠をもってステルスマーケティング(ステマ)では無いと言い切れます。当社が、広告主様から事業で韓国からブロガーさんを招聘するときに必ず行うことは、以下の通りの対応をします
【当社の受託内容】
1)広告主が情報発信を希望するの記事コンテンツ制作と掲載を、99sというNAVERブログサイトなどの自社メディア媒体を通じ「メディアである当社」が広報PRを行う。(ペイドパブリシティ)
2)当社のスタッフ(外国語ができる日本人)が、当社の責任で招聘したパワーブロガーさん(消費者の代表)にモニタリング(広告主の店舗やサービスをお試しで利用する)をさせる。そのために招聘する。したがってその際は、当社が1)で作った広報情報をパワーブロガーさんに旅マエ・旅ナカで提供した上で、パワーブロガーさんたちはその情報を活用・参照して、体験へ着手する。その際のパワーブロガーさんのアサイン、旅費交通費は当社で負担。ギャランティなどは負担しない。
3)そのうえでパワーブロガーさん達による当該商品の利用・消費に関する感想の抽出と、アドバイスを行います。そのうえでパワーブロガーさんは、あくまで当社が招聘した結果、体験した「個人旅行」の記事を、パワーブロガーさんは自身の意思にゆだねて自由に書く。広告主が提供する商品やサービスの質があまりにもひどい場合、掲載しなかったことも当然あります。
※なお一連の活動をマネジメントするために、パワーブロガーの招聘中は常時当社がアテンドに就き、パワーブロガーさんの旅行を支えています。
つまり当社は「メディア事業」と「コンサルティング事業」「代表的モニターの招聘によるモニタリングマーケティング」をミックスして便益提供し、広告主様と業務委託契約を締結しております。人が張り付いて、コストをかけるのは、それなりの理由があるわけです。このように広告主にとって目に見えにくいリスクを理解いただき、かつそのリスクをクリアしている企業様や団体様だけが、当社へご発注を賜っております。
なんで同行者がいろいろいるんだ?高いんじゃないか?
たまーに、ご提案先から「同行者の人件費が無駄」とか「高い」とか言われて、お断りを受け、後日ご提案先の企業や団体が別業者に依頼したり、(どの程度知見があるかわかりませんが)直接ブロガーさんを招聘したりしているパターンがございます。まぁ、あとは広告主様がコンプライアンスをどう捉えるか、そしてそこに含まれるリスクを理解して受け入れるだけですので、これ以上は当社も何とも言えませんが、当社が介在して人を配置しパワーブロガーさんとモニタリングを行うことの、本来の理由の1つには広告主さんの法的・倫理的なスタンスを守るためでもあります。
相手国の外国語も話せない企業のスタッフが外国人のブロガーさんの招聘に同行しても、全く意味もないし、信頼できる広報を外国へ実施できるはずもありません。そもそもですが、どうやってその広告・広報をマネジメントするつもりでしょうか?安易にブロガー招聘を考えていたり、すでに実施経験のある企業や団体様は、ご一考をする機会をお持ちになることをお勧めします。
嘘の記事はすぐバレる。広告主は「嘘の記事」が上がっているかどうか、確認できていますか?
ちなみにベタベタなPRをしたブログを書かされた外国人ブロガーさんが、そのあとどのように読者から読まれているか、という実態を、一部の広告主は関心すら持たない傾向がありますが、意外と醜い事例も多いものです。はっきり言って外国だろうと日本国内だろうとデキレースやサクラなんてものは、すぐにバレます。うわさも走ります。ヴァイラルマーケティングの恐ろしさは、そのようなヤラセ・サクラの噂は、いい噂よりも2倍以上のスピードで広がることなのです。
女性の旅行記なのに、男性が手に持っている写真が掲載されている。。。
このブロガーは同じ時期に、不自然な動きを何度もしている。。。
読者は賢いです。NAVERは、写真素材や記事を他所から調達して作成されたキュレーションブログ(韓国ではレビューブログと言います)をすべて検索から除外しています。嘘のブログもほとんどが、このレビューブログのケースであり、広告主がお金を払ったのに、書かれたブログの寿命が短くなっているか、またはそもそも嘘くさい内容に仕上がっているか、などのリスクをはらんだコンテンツが今日もアップされているわけです。広告主の方々が、こういう実態を納品成果物として把握しているのかどうかは、はなはだ疑問ですが。。。
これらのリスクを知らず、業者から説明も受けずに、周りがやっているからと聞いて安易に施策に入れることを当社は勧めません。もうちょっと慎重さと配慮を持って、国へのPR方法を考えてほしいものです。日本が世界有数の観光立国となるために。
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