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2019年大阪市内への訪日韓国人が減った理由

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まずどの程度減っているのか?現状を確認します

2019年になり、インバウンドマーケティングの専門家をはじめ、一部の飲食店・小売店・行政の方々から「最近、大阪市内での韓国人客が減ったような気がする」という声を聴くようになりました。

とあるインバウンドマーケティング専門家のFacebookより抜粋

 

大阪市内への来訪者数は確実に減りました。理由を明らかにできる範囲内でピックアップしてみたいと思います。

 

アジアフューチャーがお付き合いのある某大手旅行社の速報値を集計すると、2015年~18年で4年連続の増加だったのが、2019年は現在まで前年比で20%減少しています。JNTOでは昨年の地震や台風などの自然災害を抽出しているようですが、過去10年において大きな自然災害が直接的な渡航自粛と相関関係が出るほどの減少になったケースはあまりありません(東日本大震災は、震災ではなく「原発事故」が渡航自粛に相関しています)。現に2016年の湯布院・熊本の地震時は、個人客は3週間で現状レベルまで復活しておりますので。

 

端的に言うと受入側の「嘘」と「慢心」が招いた「飽き」が原因

「勝手に来ている」「単価が安い」などの慢心が露呈

まずは国も大阪のエリアの方も「韓国人は何もしなくても来ている」という慢心が表に出ています。厳しい言い方ですが初回来訪者が多い大阪の立地に胡坐をかいてしまった事例をいくつか見ております。その結果として最もわかりやすいのが「リピーター造成につながっていない」ことが挙げられます。「次は行きたくない」という声が出る理由は、「他地区の方が魅力がある」「その魅力とは「稀有さ」にある」ということです。つまり右も左も韓国人・中国人ばかりとなると、海外に行った気持ちになりにくくなります。しかもその町中に自身が常連として訪問したくなるような継続的な人間関係を構築できるお店作りをできていないことも弱点となっています。一見客に高く売るという行為が長く続きすぎています。

しかも最近よく聞くのは「韓国人客は単価が安いからターゲットにしたくない」という声です。これは明らかなミスジャッジで失礼な話です。客単価が安いということは「資力が少ない」のではなく「あなたの店への評価が低い」だけです。客単価とはあなたのお店・商品に対する評価点そのものです。低いのを客のせいにするとは、勘違い甚だしいです。その声はすかさず顧客へ伝わります。あなたのお店、あなたの街でお金を使っていないだけです。だから飽きが出始めているのです。

 

参考 訪日韓国人の客単価に関する詳細情報 単価は全く低くない

キュレーションブロガーによる、嘘の情報の蔓延


特に大阪と福岡に増えている事例ですが、一部のキュレーションブロガーによる景品表示法違反のブログ掲載を促す業者が蔓延したことにより、嘘の情報がハングルで今も出ている実情があります。これに伴いNAVER社がも検索のアルゴリズムを厳格にして、これらのキュレーションブログを検索から除外する施策をとっておりますが、それでもキュレーションが後を絶たない状態が大阪では続いています。最悪の場合いまはNAVER社が「大阪 グルメ」などの大きな検索キーワードの検索結果自体の露出を減らす可能性もあります。そうなると日本旅行の情報発信において不誠実な情報だけでなく、正しく誠実な情報も併せてインプレッションから除外されることとなり、大阪の来訪者数および消費経済に大きな打撃をもたらすこととなります。

しかも検索をする韓国人旅行客自身は、メディアリテラシーが高い方が多いので、これらの嘘ブログを見抜きます。検索の上位に上がるものをストレートに信じません。だから検索をNAVERだけではなくインスタグラムも併せて使うのです。その2つの検索結果に大きな差異が見られれば見られるほど、検索結果に上がるブログを信用しなくなりますよね。大阪に関するブログは今まさに信頼度が落ちつつあるわけです。それも日本側のせいで。

 

発信情報の精査顧客満足度の高いオペレーションの造成思い出に残る商品開発を踏まえ、これをパワーブロガーさんと一緒に改良を重ねてモニタリングしながら継続的な情報発信へつなげていくこと以外、この現状を打開する方法はありません。

 

実は韓国人客の人気は地方都市へ流れている

では日本が飽きられているのか?関西が飽きられているのか?全くそのような話はありません。関西空港または関西近辺へ行こうとする韓国人の動きは、より複雑になっています。当社クライアントでもある和歌山白浜の某旅館には1か月で400名以上の韓国人客が宿泊します。彼らは関西空港からストレートに和歌山へ向かいます。白浜の人気は非常に高まっております。

そのほかアジアフューチャーでプロモーションや人材紹介を行っている先が主な実績箇所ではありますが、奈良・三重・滋賀・京都・兵庫(有馬や淡路)などへ「直接」訪問して、大阪に立ち寄らないケースも散見されています。これらの顧客は「今まで以上に日本っぽいところ」「ほかの韓国人に出会わない場所」などを探して動いています。移動手段はレンタカーが増えており、その走行距離数も伸びています。また他方で関西空港以外のほかの空港を活用して関西圏を訪問するケースも出ています。状況はますます複雑になっているわけです。

 

大阪市内の今後のキーポイントは??

ずばり。キタです。インバウンド市場ではまだまだ未開拓なエリアが多数あります。

なにわ筋線が完成し、ラピートがキタに乗り入れ、はるかが大阪に停車するようになる、今後のウメキタの開発は大阪の市場構造を大きく変える可能性があります。これらの開発計画と市場性を含め、個店レベルにおいても可能性が極めて高いエリア、強化すべきエリアは以下の通りです。

中崎町:カフェ巡りのインスタグラムは日に日に増えています。

インスタグラムでは中崎町は人気上昇中

福島:キタエリアにおける飲食店のクオリティの高さへの評価が増えています。

お初天神:梅田エリアの中で魅力的な飲食店が最も集積しており、立地もわかりやすい。

天六~天満:京都帰りの顧客が阪急電車で立ち寄るスポット。ここから天満まで回遊しています。

キタはミナミと比較するとまだまだ日本人客が多いエリアです。この日本人客に紛れて食事をしてみたい、、そんな需要が根底にあります。大阪の魅力はミナミだけではないことは我々日本人が最もよく知っています。2019年のテーマは「分散させること」にあるのではないかと筆者は考えています。

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