マルチカルチュラリズム

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multiculturalism(多文化主義)と仰々しく言うと、何の話じゃ?と思うでしょうが
要は複数の文化の交流や融合を通じ、新たな文化繁栄を是とするイズムですね。
ん?何のこっちゃ?と思われるかもしれませんが、文化といって最もなじみがあるのが
食文化。カレーうどんに、キムチチャーハン、アボガドのにぎりに、韓国の海苔巻き(キムパップ)等等。
こんなごちゃ混ぜ文化が、結果的に人々に受け入れられ、より面白いものへと生まれ変わることを
是とするものがマルチカルチュラリズムなのです。難しく言うと・・・。
で、きょうはヒサビサに寄席を見に行きました。例の内浜落語会のですけどね。
そこの主宰:粗忽家勘朝氏が、世にも無謀な企画をお披露目するということで、呼ばれたのです。
それが・・
한국어(ハングゴ)落語」。。。  つまり「韓国語」で落語をするというのです。 
無謀だよな。と、思った。お客はどうやって中身を理解するんだろうか?
会場は中央区の唐人町だというのに・・・。
おもむろに会場へ。いよいよこの寄席が始まったところ、なんと高座の上手にスクリーンが。。。
そして手前にはプロジェクターが。。。。 なんと同時通訳の字幕を出すのかよ?!
そうなのです。
マイクロソフトのパワーポイントを使って、予め噺の中身を日本語訳で入れておけば
成立するなぁ。ただし、裏方でこのソフトを扱う人間も韓国語を理解してないと、うまくいかない。
見てるこっちがハラハラしながら、噺が始まりました。。。
すごい。。。本当にぜーんぶ、韓国語で話している。
しかも。。。  ウケてるよ。。。。 (つづく)


今回の演題は「犬の目」
外国語で落語をやるとなると、演目も当然限られてきます。
落語には「地口オチ」っちゅうタイプのオチがございます。
簡単に言えば「日本語の言葉による洒落」で〆るオチですね。
「(桶屋のお父さんが子どもに)おう、俺んとこの桶屋はどうなるんでい?」と尋ねると、子どもが
「(殿様口調で・・)そんなものは、捨ておけ!」と言って終わるようなやつね。
これは外国語じゃムリ。意味がわけわからんくなる。だから間抜けオチのネタじゃないといかん。
犬の目は超バカ話で、目の調子が悪くてヤブの目医者にかかると、目玉を両方取られてしまう。
一日塩もみして干してりゃ治ると。翌日患者がまた来て目を取り付けようとすると、野良犬が
食べていた。ので、ヤブ医者がその犬の目玉を取りだして、しれっと患者につけてしまう。
すると「治った!」と喜ぶ(なんでやねん?!)。で、さらに次の日。調子はどう?と医者が尋ねると
「調子はいいけど。。。電信柱を見ると、オシッコしたくなるんです!」と言ってオチ(サゲ)。
これがいわゆる間抜けオチってやつ。これなら外国人にも通じる。
このハングゴ落語を本年中に韓国でもやるとな。芸として成立してると思う。
これってまさに一種のマルチカルチュラリズム。国交回復40周年に一役買いそうだなぁ。

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コメント

  1. こえび より:

    その字幕を担当した者です。
    冒頭お見苦しいところがあり、失礼しました・・・。
    ところで、8年ぶりにお話でき、とても光栄でした。
    秋に韓国でやるときは、私は現地で落ち合う予定です。

  2. 勘朝 より:

      いやいや大変でした。まくらまではなんとかゆとりもあったのですが、ネタに入ったらいっぱいいっぱいでした。途中何回か言葉をウソ言ったり…。
     秋の釜山口演ではばっちり仕上げておきます。しかし、ハングゴ落語をみなさん楽しんでいただけるなんて、お客様の感性に驚きました。
     「噺家は 笑い上手に 助けられ」でした。
     韓国文化と日本文化の交流に役立てばいいなぁ。

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