インディーズで音楽活動をしている女の子の歌を
先日沖縄料理屋にて聴きました。
場所は琉球料理GO!YA大名店というお店です。
その子は沖縄から来ている子。もともとデュオで売っていたらしいが
お相手が体調を崩して、先週「解散」したそうな。でソロにて歌ってました。
主にボーカル・ギターなんかで歌を作って歌っていたようですが
この3月から三線を始めたらしく、先日聴いたときは
三線だけで音を奏でて歌っておりました。
ライブというよりかは「流し」みたいな感じでして。
琉球民謡とかBEGINの有名な曲あたりをいろいろ歌いながら、
もちろん彼女のオリジナルの歌も歌ってたのね。
で、ひととおりの歌が終わったあと席に回ってきました。
しばしトークを続けたところで、
「名刺ないの?」と尋ねたら
「このCDが名刺の代わりです!」と。
「?」
「で、いくら?」
「¥2,800です!」
!?!? なんだと? 席にいた連中がみんなヒイた。
ちなみにその日、一緒の席にいたのは、新聞関係の人間2名。
音楽出版関係の人間2名、それにボク。 もちろん仕事内容はこちらも話した。
当然CDを買うこともなく、会話は自然消滅し、知らない間に
彼女は店からも出て行ってた。やれやれ。
「あのねーちゃん、本当に自分の歌を売る気はあるんかいな?」
その後出た感想は異口同音、この言葉だったのは言うまでもない。
「インディーズ」で活動する若者が多いけど、どうやって売ろうとしているのか?
本当に音楽でメシを食っていくのか?などというハングリーさや、真剣さを
感じられる人が なかなかいないのが、最近よく見受けられる傾向。
初対面の人間に、自分のことをわかってもらおう、というつもりで
2,800円のCDをいきなり売りつけんやろ?普通・・・。
レコード会社のプロモーターでも、そんな乱暴なことはしないばい。考えられない。
聴くところによると彼女は学生らしい。先日ヘリが落ちた大学。
「音楽にかけてる!」とコメントするわりに、初対面の人間とのコミュニケーションの
取り方がちょっとヘタなんじゃないかな?と思ったわけでして。
そうなると、アーチストを探す立場である僕らは・・・
「どうせ、ちょっと売れなかったら、辞めちゃうんでしょ、音楽活動を・・・」
と、厳しいことを言ってしまうわけで。
もちょっと真剣な仕事を見たいもんだ。インディーズの連中にはそれを言いたいな。
「インディーズ」をひとつのブランドと勘違いしている連中に対して、特にそう言いたいな。
ちなみに。
インディーズの中から、ある程度の評価を得られるためには
かなりの関門があります。
作曲をする人にとっては、作った曲の数。
最低発表できる曲が100曲以上は必要です。
さまざまな種類の可能性をそこで見せないと、
音楽出版の連中も、媒体の連中も注目しないのね。
「インディーズ」って、あと何年ブームっぽくなんのかなぁ。
いわゆる普通の若い人たちの、バンド・アコギ・ゴスペルはもう飽きたなぁ。
沖縄から来た女の子なら、何か僕らに訴えかける歌とトークが欲しかったんだけど。
「インディーズ」とか「役者志望」とか云って
モラトリアムを延長してる若い人って多いよね。
まぁ働き口がなかったり、夢が見つかりにくかったり、昔に比べて希望を見出しにくい時代になってはいるんだろうけど・・・。
ま、名刺代わりに2,800円の素人CDを差し出すお姉ちゃんには、少し社会経験を積んでいただきたいもんですな。
そうすれば「夢のかなえ方」ももう少し学べるでしょう。
僕?まだいっぱい夢を見てます。
虎視眈々と。うふふ(意味深?)