「時代を映像で記録する」ということは大切です。
僕の周りにも子どもが生まれ、毎日のように我が子を
ビデオカメラに記録している姿を見ます。
映像に携わった者の一人としてのアドバイス。
対象を撮りたい気持ちはわかります、成長の記録…と思ってるだけに。
でも、重要なのは「背景」です。どこで成長したか?
誰と成長したか? 何をそこで学んだか?を未来の関係者に伝えるのが
映像だからですね。
まぁ何で急にこんなことを思い立ったかというと、昔見た映像を
ふっと思い出し、あるんじゃないかなぁ~と思ってYou Tubeを散策し
発見したからです。実は2つともビデオクリップ。
B’zのプロモーションビデオ HOMEです。
これ、撮影場所が香港なのね。
で、何がすごいのかというと、香港が返還され、新しい空港ができる
直前の映像だからです。
行った事ある人なら知ってると思います。香港の空港はかつて
啓徳(カイタク)空港という街中に存在する空港が玄関口でして、
着陸が世界一難しいといわれていました。
いわゆる「香港ルート」と言われ、摩天楼の間をすり抜けて着陸します。
その様子が、B’zのビデオクリップの随所で出てくるのです。
それも地上からの映像。迫力満点です。
こういうところを時代のマイルストーンとして残したディレクターに拍手ですな。
最後の最後にも、しれっと遠くの飛行機のエンジンノイズが入るのがシャレとる。
すごいすごい。
続いては、さらにびっくりな映像。かつ、懐かしい。
最近、改めてベスト版CDが出た、Wham!です。
名曲”Freedom”は全編、北京での撮影でした。
これは当時の中国の映像自体がまだまだ乏しい時代だった
中学生時分において、かなり衝撃的でした。
人民公社なんつう言葉を習い、共産主義バリバリの頃の
中国のど真ん中で、Freedomとは何ともヒニク。
まだ車も少なく、自転車が天安門前を大量に走っています。
そこでジョージとアンドリューがライブやったなんて、すごいですよね。
驚きました。思わず何度か見入ってしまいました。
このように撮られた映像は数年~10年経つと、新たな価値を持って生き続けます。
どうぞ「時代」を撮ってくださいね。