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今からもうだいぶ前だけど、こういうドキュメンタリー映画があった。
封切りがあったのは、1983年。
4時間以上の映画で、途中で一回休憩があったのを記憶してる。
僕は中学一年生でありながら、中洲の東宝まで足を運んで
この映画を見たのです。完全にヲタクだよな。
とはいえ。
すでにその時点で第二次世界大戦へ並々ならぬ興味を持ち
とりわけこの東京裁判の内容には、深く関心を持っていた。
なぜなら、その当時「弁護士になりたい」と、豪語していたから。。。
生意気な話だ。全然違うじゃん。今。
で。
この東京裁判の判事のメンバーの1人にいた「パール判事」と言う方を
ご存知でしょうか?インドの方です。きょう偶然にもNHKスペシャルで
このパール判事の特集をしていた。びっくり。
彼は東京裁判において終始一貫し、被告全員の無罪を主張していた。
この裁判は、通常私たちが知る裁判と根本的に異なる概念がある。
それは勝者が敗者を裁いている点。
さらにいうと、「何らかの責任を追及し、結論を出さねば…」という
メンツが見え隠れしているところが、どうも気に食わない。
さらに。法律論で言えば。2つの点において、連合国側の言い分で
受け入れがたいところがある。
まずは「人道に対する罪」の規定。そりゃ各地で行った日本軍の愚行は
人道に反するものが多々あります。許されるものではありません。
けど。
法律的に言えば、この罪の規定は戦中に生まれました。
(いつか忘れました、すみません。根拠探します)
だけど、裁かれた事例はこの罪の規定の前である、
日中戦争における日本陸軍の蛮行でした。
刑事の法律においては、民事と異なり「遡及効」がありません。
つまり「さかのぼって罪とする」っていう考えがないのです。
だって、そりゃそうでしょ。
例えば仮に「エロサイト見た男性は死刑!」って規定ができて
これに「遡及効」があったら、日本国民の男性はほぼ全員死刑でしょ。
それがありえん話だっちゅうことです。法律的に。
と、もう一つ。「統帥権」という概念が大日本帝国憲法にはあった。
これは「軍を統帥するのは直接、天皇が行う」という概念。
つまり軍部の動きを管理するのは、「天皇」であり「政府」じゃない、
ということ。にも関わらず、広田弘毅元首相が、
「軍部の暴走を止められなかった」とか「追認した」とか言う理由で
絞首刑になった。これがどうしても解せん。
僕自身は、この裁判において、どうしても受け入れがたい内容は
これら2点だったのだが、パール判事はこれをさらに上回り…
「要は、日本政府のこいつらが罰せられるなら、
お前ら白人は今まで何をした?」
ということを、この東京裁判の場で、はっきり言っちゃったのね。
そりゃ連合国軍は絶句でしょ、ウゼーと思ったかもしれません。
でも。
彼らは真剣にそう思っていた。彼らとは「インド人」だ。
日本軍が提唱した「大東亜共栄圏」という概念。
まぁ侵略のお題目だろといわれりゃ、その通りかもしれないけど
他方で「理にかなった概念」でもあった。あくまで相対的だが。
それだけイギリス人ら白人の収奪が著しかったことを
表しているのではないかい?
パール判事が今までどのようなことを訴えてこられたかを
いろいろ見るうちに、ラダ・ビノード・パール
そのまんまが掲載されているサイトを発見しましたので、
リンクをご紹介。
この8月15日付近は、戦争の話から日本国憲法の話、
戦争責任の話がにわかに出て、論争が生まれますが、
大事なのは「過去の方々のメッセージを正しく抽出する」ことです。
イデオロギー云々の前に、「世界大戦」だったんだからこそ
「世界的視野」でこの出来事の背景を学ぼうとせんといかんなぁと
62年目のこの灼熱の日本で、ふと考えました。
明日は、お参りくらいするかな。
ちなみに。
これまた意外と知られてないですが、
本当の意味の「終戦」って実は場所や人で異なる。
15日より前に知った人もいれば、
9月に入って知った人もいた。
15日以降、世界に散らばっていた日本人が
最も不幸だったかもしれない。
見えない場所で虐殺や略奪を受けているという
知られざる事実がそこにある。
とにかく戦争は「見えないところ」にも恐怖がある。
極力無くしてほしい。