地域ブランド開発に関する思考の手順を棚卸しました
地域ブランドの開発や販路開拓などの相談をたまに受けることがあります。中には自治体の職員の方もいらっしゃいます。地域ブランドを開発しようとする自治体や地元の方々の苦労は尊敬に値します。
ただ認識違いも多い。以前ツイッターに連続ツイートしたことを改めてブログにまとめてみたいと思います。
その1
ブランド化=差別化 と言う人が多いでもそれは間違っています
差別化とはブランド化のための手段の一つでしかありません#地域ブランド
— 🇯🇵まつきよ一平🇯🇵 (@matsukiyoippei) October 17, 2021
その2
ブランド化
=長期的なイメージ創造|イメージを通じた価値創造価値
=品質・生産地イメージ・生産者イメージ・対象者(購入者)イメージなど価値
≒ステータス だとイメージがわきやすいかも「価値ある田舎」もあれば「田舎くさくて安っぽい田舎」もある それは「商品」も一緒
— 🇯🇵まつきよ一平🇯🇵 (@matsukiyoippei) October 17, 2021
その3#地域ブランド で「価値創造」は生産者だけでは不可能
では誰と創造するのか?それは「消費者」です。
消費者との相互交流なくして地域ブランド作りは不可能。売り手が弱気だったり、視野が狭く凝り固まった考え方しか持っていない場合、ほとんどが「消費者=顧客」の顔をほとんど知らない
— 🇯🇵まつきよ一平🇯🇵 (@matsukiyoippei) October 17, 2021
換言すると、地域イメージがすでに刷り込まれている地域の特産品は「消費者との価値創造」という点で優位性があります。
たとえば九州の場合ですと、呼子のイカや、伊万里の牛肉などが典型です。観光地として成り立っており、顧客が既に土地を知り、行き来してその場所(地域)の価値を知っているからなのです。
その4
自治体施策でよく出る話で、成果が上がりにくいのが「販路開拓」流通やマーケティングの知識がないような担当者は
・地産地消を促すべき
・地元の特産品だから置くべき
・地元密着の観点から協力すべき
という「べき」論を展開する売れない限りリテールは販路提供しません#地域ブランド
— 🇯🇵まつきよ一平🇯🇵 (@matsukiyoippei) October 17, 2021
流通やマーケティングの知識がないような担当者はすぐに、「ウチのブランド商品をデパートや量販店に置いてくれ」などという安易なオーダーをしてきます。ありえません。
量販店からすれば、「その商品は売れるのか?」「いつでも手に入るのか?」「ウチは儲かるのか?」をまず考えます。当然ですが。ここではっきり言っておきますが、売れないものを置くリテールは存在しません。
その5
では売れる商品とは?消費者のニーズや人気情報を確保し、市場に投下された製品のこと
しかし消費者の批判や人気の数値化を自治体は平等主義から嫌う。つまり競争を避ける。だから本気の商品が生まれない
消費者目線がない #地域ブランド は本当のブランドではない。ゆえに売れるわけがない
— 🇯🇵まつきよ一平🇯🇵 (@matsukiyoippei) October 17, 2021
マーケティングやランキング作りといった競争市場に合った施策は生産者のモチベーションを削ぐなどと荒唐無稽なことを言って抵抗しては地域住民の血税を、その場しのぎの即売イベントなどにつっこんでその場しのぎの売上で満足する。。でも販路は当然開拓できないまま。。そうなったら最悪です。地元住民の中でも生産者と消費者との溝はますます深まってしまいます。地域住民の血税が、やる気のない商品開発や販売に投下されることは避けたいものです。
その6 だけど田舎の方々に厳しいことばかり言っても仕方がない事情も理解できます。結局単発のイベントへ一緒に参加して頑張って手売りすることで終始する。イベントは販売者満足度が高いが中長期的戦術ではない。だから施策でイベント出展はよくあるけど単年度でしか企画できない。
— 🇯🇵まつきよ一平🇯🇵 (@matsukiyoippei) September 9, 2010
これじゃ、堂々巡りですね。。。
その7
せっかく売れそうなシーズが世の中いっぱいあるのに、
そこにインキュベーションの仕組みがないのが問題なのかもしれませんベンチャー企業と同様に、やる気ある生産者を対象に、
地域ごとの農商工連携のインキュベーションの仕組みができれば、解消の余地はあるのかもです#地域ブランド— 🇯🇵まつきよ一平🇯🇵 (@matsukiyoippei) October 17, 2021
その8
まずは「作れば売れる」と思う、20世紀思考を捨てて欲しいものです
そして「#地域ブランド は地方自治体にあるべき」というあるべき論も捨てて欲しい
生産者主導の地域ブランドから顧客の視点を入れて、改良を重ねる地域ブランド作りにシフトして欲しい
流通を経て答えは必ず導かれます
— 🇯🇵まつきよ一平🇯🇵 (@matsukiyoippei) October 17, 2021
商品開発とブランド開発はそれだけ難しいものです。そしてそれは行政施策ですべきことではないと、僕は考えます。