先月僕が持っているビデオクリップをいくつか、
てっちゃむに分けてあげている際、驚いたことがあった。
「ボブ・マーレー好きっす!」と言ったこと。
ボブの名曲って数々ありますが、やはり誰も一度は聞いたことがあると
思われるのが、この One Loveでしょう。
ジャマイカの第二の国歌と言われています。
実際10年ほど前にジャマイカを訪れた際、誰でも歌える曲であり
かつ、空港のイミグレーションでもかかっていたのには驚いた。
レゲエを好きになったのは大学時代にアメリカを訪れてから。
とある陰気なバーで現地の黒人からレゲエとは…を延々語られた
ことから、興味を持ったわけです。
季節は深まる秋。別に真夏でもなんでもなかった。
レゲエは本来非常に宗教色の強い楽曲の分野です。
本来アフリカへの回帰を謳うものであり、戦いを謳うものではない。
そう、連れてこられたカリブから本来の故郷、アフリカを思うもの。
その象徴が戦前から独立をしていた「エチオピア」。
レゲエの本場、ジャマイカの国旗は黒が基調なのに
どうしてレゲエ=ラスタカラー ?と思う人 いませんか?
(そこまで考えず、ファッションとしてしかとらえてない人の方が多いかな?)
ラスタカラーはエチオピアの国旗なのです。
「ラスタ」とついつい言いがちですが、本来の語源は「ラス・タファリ」。
人名です。戦前に皇位についたエチオピアの王の即位前の名前。
いつか黒人がアフリカの大地で王として君臨するという予言を最初に
実現させた…というところからこのラス・タファリを崇め、アフリカへの
回帰を目す…ってなとこか。
そういう思いや願いが篭った唄だったわけですね、本来レゲエって。
実は以前からレゲエに興味を持ち、この辺の歴史もかなり調べたのだが
いかんせん「黒人と白人」の話だけに、番組なんかで扱うには共感を
得にくい話なわけです。ゆえに、ただの一度も「企画として出すことすら
しなかった」のです。残念。。。。。
昨今では、夏となればレゲエ。 海とレゲエ。と安易に結びつけるトークを
FMなんかでよく耳にする。けど、本当は自由への闘争や、偏見・差別を
世から無くそうとする思いや願いを歌ったものが非常に多いのが、
レゲエなのです。とりわけ教祖たるボブの唄は…。
日本人にとっても8月はまさに平和や自由、差別偏見の撤廃を考える
とても大切な時期なんだから、ちょっとはそういうことも踏まえて
レゲエミュージックを聴いてもらいたいもんだ。
自由や平等の権利を思うならば、ボブの「Get up, Stand up」がいい。
Get up, Stand up Stand up for your right.
Get up, Stand up Don’t give up the fight.
(立ち上がれ、起き上がれ。権利のために。
立ち上がれ、起き上がれ。戦いを諦めるな)
黒人たちの悲しい運命と、その嘆き、鎮魂を思うなら
この「Redemption Song」を聞くべき。
Old pirates, yes, they rob I;
Sold I to the merchant ships,
Minutes after they took I
From the bottomless pit.
(かつて白人の略奪者どもは俺たち奪った。。。
奴隷船に売っ払いやがった。
絶望の中へ、追い討ちをかけるべく奴らは略奪を続け。。。)
と、いきなりインパクトのある言葉の出だし。
最後は「Redemption Song」 Redemptionと言えば経済では債券の償還ですが、
ここではもちろんそういう意味でなく、「救い」とか「償い」という意味。
救いの唄…ってとこでしょうか。
こういう歴史をちょっとだけ知りながらレゲエを聴くと
中身が違って見えてきます。
ちなみに。
ボブは36歳でなくなりました。
僕は今36歳です。
彼のような功績はまだまったく残せていません。